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既存住宅の断熱改修工事についてポイント 断熱材施工のポイント
今週も耐震補強、断熱改修を行う佐伯区の性能向上リノベーションの現場についてブログを書きます。
今週は断熱改修についてご説明させて頂きます。
断熱改修工事は耐震補強と共に大切な性能向上工事の一つです。
大型のリノベーション工事において費用や性能に大きく関わるのでご興味がある方も多いと思います。
こちらのお家は前回もお話ししましたが事前のインスペクション(建物診断)をしていたのでその時に耐震の状況と共に断熱材の施工状況、劣化状況も確認していました。
調査時に見て分かった事は断熱材は入っていましたが効果としては『ほぼ効いていない』状況でした。
古い住宅の場合、今回の様に断熱材は入っているが効いていないか、入っていないかどちらかがほとんどです。
この様に断熱材は施工の不備が原因で長い年月かけて結露によって断熱材の性能が奪われている場合がほとんどです。
元をたどれば施工の時に気密処理をきちんとしなかった事が原因ですが当時はそんな事も気にせず『断熱材を入れればいい』くらいの感覚だったと思います。
改修時にこの黒くなった断熱材付近には、ほとんどの場合腐食が見られ、シロアリの蟻害がある場合が多いです。
特に北側の浴室、洗面室まわりにその様な状況が起きています。
この腐食と蟻害は建物の断熱性能云々の前に対処する必要があります。
事前のチェックのお話はこれぐらいにして、今回の現場の断熱材の施工についてご説明していきます。
今回の佐伯区のお家では壁には床にはフェノールフォーム50㎜、壁は高性能グラスウール105㎜、天井には同じく高性能グラスウール210㎜を施工します。
現場ではすでに床の断熱材の施工をしております。
ウレタンガンでウレタンを充填したりして隙間を埋めていきます。
隙間を埋める事で断熱材の性能が100%発揮できるように見えない部分の気密処理をしっかりとしていきます。
とても分かりにくいのですが耐震診断同様に断熱性能も性能を事前に計算する事が可能です。
まず分からないであろう数値の値をこのブログで書くというこの無礼をお許し下さい。
性能値を見て安心するのは実務者だけなのですがキッチリ最初から検討してますよというアピールです(◎_◎;)
【断熱性能】
↓
AFTER
簡単に言うと40年近く前の断熱性の無い建物が現在の省エネ基準に適合する建物までランクアップする事になります。
断熱性能は耐震性能を共に分かりにくい部分もありますが、施工後の違いは体験された人にしか分からない良さがあります。
予算的に厳しい部分も出てくるのでエリア断熱したり、風除室的に使うスペースを設けたり工夫をしながらお施主様にご提案しております。
今回も分かりにくい内容ですがとても大切な事です。今後改修工事を検討されている方のご参考になれば幸いです。
次回は断熱改修の中でもキモと思われる窓の断熱改修についてブログを書こうと思います。
以上、名藤でした!!
既存住宅の耐震補強工事についてポイント 基礎・水平構面の考え方
名藤です。
先週に引き続き耐震補強、断熱改修を行う性能向上リノベーションの現場のご報告です。
前回は耐震補強の基本となる壁の補強についてご説明させて頂きました。
今回は基礎と水平構面についてです。
少し分かりにくいお話ですがご説明します。
基礎に関してですが今回のお家は基礎のコンクリートに鉄筋が入っており、鉄筋コンクリート造りの基礎でした。この鉄筋が入っているか、いないかで基礎部分の耐震補強の考え方が変わります。
基礎に鉄筋が入っていない無筋のコンクリート基礎の場合は耐震補強を考える上では鉄筋コンクリート造りの基礎を付け足す添え基礎を作る事で対応します。以前性能向上リノベーションを行った団欒の家では新しい鉄筋コンクリートの基礎を既存の無筋コンクリートに添えて基礎の耐震補強を行いました。
また、上部の構造だけを考えて基礎を補強しない選択肢もあるかと思いますが基本的には足まわりの補強はとても重要だと思います。
中古住宅を購入して耐震補強工事を行う場合は既存の基礎の鉄筋の有無を確認される事をお勧めします。
続いて水平構面。
水平構面と聞いてなんじゃそりゃと思われるかもしれませんが、友人の設計士さんがとても分かりやすい言葉でお客様にご説明されていたので紹介します。
ダンボール箱の底と上部のフタを閉めずに横方向から箱を押すとダンボールは大きく形を変えてしまいます。しかし両方のフタを閉めるとダンボールは横方向から押されても形を変えにくくなります。
つまり、建物の縦方向の荷重や揺れに関しては壁や柱が支えますが横方向の揺れや歪みに関してはこのフタの役目をする部分があると構造上強くなると言う意味です。
昔からこの水平方向の力を伝達する部材は使われています。新築工事をしているお家で見かけた事もあるかもしれませんが火打ち梁と呼ばれる部材がこれにあたります。また今建てられているお家では床自体が強い構造であれば床もこの水平構面になります。
今回のお家は火打ち梁がありましたが本数が少ない事、下屋根部分の水平構面がない事を理由に金属の火打ち梁を施工し、一部天井に構造用合板という板状の物を貼って水平構面を確保しました。
とても分かりにくいお話ですが耐震補強ではとても重要な事です。少しでもご参考になると嬉しいです。
次回は断熱改修について書きたいと思います。
以上、名藤でした。
既存住宅の耐震補強工事についてのポイント 壁の補強についての考え方
なんやかんやでブログをサボってしまいました(-_-;)
という訳で久々のブログですが、既存住宅の耐震改修について書きたいと思います。
今回は耐震のキモである壁の補強についてです。
耐震補強ですが解体前にある程度床下、小屋裏に潜って状況を把握してはおりましたがいざ解体すると構造体に蟻害や腐朽があったり、思っていたのと違う構造の組み方などがあるので
解体してから再度耐震の計画を確認します。
今回耐震補強の計画の為に使ったソフトは(株)えびす建築研究所さんの達人診断です。
広島県の木造住宅耐震改修低コスト工法講習会『耐震リフォーム達人塾』で紹介されたソフトです。
低コストで効率的な壁の耐震改修のディティールが沢山入っていてその場で強さやバランス、細かい事をいうと壁の端部の金物の仕様まですぐに分かる優れものです。
耐震改修は強い壁をただ入れたら良いという訳ではなく、コストや基礎の状況、金物、配置等を考慮しないと高くてバランスの悪い耐震補強になってしまいます。
今回は既存の耐力壁も多く、基礎の状況も良かったので既存の筋交いと呼ばれる耐力壁は生かしつつ、その他の場所で新規の補強する壁を設置しました。
ここでポイントですが、建物の隅などに既存の耐力壁を設置している既存住宅が多いのですが、その部分に更に強い壁を補強するとその端部の金物は大きな力に対して耐えられる物にする必要が出てきます。
なので建物角の耐力壁はそのままで、基礎のある間仕切り壁の部分や、角から1ピッチでも離した部分に新たな耐力壁を設けた方が金物を小さくできます。
建物の形状で変わりますがシンプルな形状の建物であればこの金物の配置に関しては上記の様な工夫が必要だと思います。
今回のこちらのお家も上記の様な事を工夫しながら現場監督の岡崎と相談しながら進めています。
まだまだ書き足りない部分もありますが、今回はこのへんで。
次回は基礎と水平構面について書きたいと思います。