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既存住宅の耐震補強工事についてポイント 基礎・水平構面の考え方
名藤です。
先週に引き続き耐震補強、断熱改修を行う性能向上リノベーションの現場のご報告です。
前回は耐震補強の基本となる壁の補強についてご説明させて頂きました。
今回は基礎と水平構面についてです。
少し分かりにくいお話ですがご説明します。
基礎に関してですが今回のお家は基礎のコンクリートに鉄筋が入っており、鉄筋コンクリート造りの基礎でした。この鉄筋が入っているか、いないかで基礎部分の耐震補強の考え方が変わります。
基礎に鉄筋が入っていない無筋のコンクリート基礎の場合は耐震補強を考える上では鉄筋コンクリート造りの基礎を付け足す添え基礎を作る事で対応します。以前性能向上リノベーションを行った団欒の家では新しい鉄筋コンクリートの基礎を既存の無筋コンクリートに添えて基礎の耐震補強を行いました。
また、上部の構造だけを考えて基礎を補強しない選択肢もあるかと思いますが基本的には足まわりの補強はとても重要だと思います。
中古住宅を購入して耐震補強工事を行う場合は既存の基礎の鉄筋の有無を確認される事をお勧めします。
続いて水平構面。
水平構面と聞いてなんじゃそりゃと思われるかもしれませんが、友人の設計士さんがとても分かりやすい言葉でお客様にご説明されていたので紹介します。
ダンボール箱の底と上部のフタを閉めずに横方向から箱を押すとダンボールは大きく形を変えてしまいます。しかし両方のフタを閉めるとダンボールは横方向から押されても形を変えにくくなります。
つまり、建物の縦方向の荷重や揺れに関しては壁や柱が支えますが横方向の揺れや歪みに関してはこのフタの役目をする部分があると構造上強くなると言う意味です。
昔からこの水平方向の力を伝達する部材は使われています。新築工事をしているお家で見かけた事もあるかもしれませんが火打ち梁と呼ばれる部材がこれにあたります。また今建てられているお家では床自体が強い構造であれば床もこの水平構面になります。
今回のお家は火打ち梁がありましたが本数が少ない事、下屋根部分の水平構面がない事を理由に金属の火打ち梁を施工し、一部天井に構造用合板という板状の物を貼って水平構面を確保しました。
とても分かりにくいお話ですが耐震補強ではとても重要な事です。少しでもご参考になると嬉しいです。
次回は断熱改修について書きたいと思います。
以上、名藤でした。
既存住宅の耐震補強工事についてのポイント 壁の補強についての考え方
なんやかんやでブログをサボってしまいました(-_-;)
という訳で久々のブログですが、既存住宅の耐震改修について書きたいと思います。
今回は耐震のキモである壁の補強についてです。
耐震補強ですが解体前にある程度床下、小屋裏に潜って状況を把握してはおりましたがいざ解体すると構造体に蟻害や腐朽があったり、思っていたのと違う構造の組み方などがあるので
解体してから再度耐震の計画を確認します。
今回耐震補強の計画の為に使ったソフトは(株)えびす建築研究所さんの達人診断です。
広島県の木造住宅耐震改修低コスト工法講習会『耐震リフォーム達人塾』で紹介されたソフトです。
低コストで効率的な壁の耐震改修のディティールが沢山入っていてその場で強さやバランス、細かい事をいうと壁の端部の金物の仕様まですぐに分かる優れものです。
耐震改修は強い壁をただ入れたら良いという訳ではなく、コストや基礎の状況、金物、配置等を考慮しないと高くてバランスの悪い耐震補強になってしまいます。
今回は既存の耐力壁も多く、基礎の状況も良かったので既存の筋交いと呼ばれる耐力壁は生かしつつ、その他の場所で新規の補強する壁を設置しました。
ここでポイントですが、建物の隅などに既存の耐力壁を設置している既存住宅が多いのですが、その部分に更に強い壁を補強するとその端部の金物は大きな力に対して耐えられる物にする必要が出てきます。
なので建物角の耐力壁はそのままで、基礎のある間仕切り壁の部分や、角から1ピッチでも離した部分に新たな耐力壁を設けた方が金物を小さくできます。
建物の形状で変わりますがシンプルな形状の建物であればこの金物の配置に関しては上記の様な工夫が必要だと思います。
今回のこちらのお家も上記の様な事を工夫しながら現場監督の岡崎と相談しながら進めています。
まだまだ書き足りない部分もありますが、今回はこのへんで。
次回は基礎と水平構面について書きたいと思います。
まだまだ寒い朝
断熱、耐震を行う性能向上リノベーションのお問合せをたくさん頂いています。
現在大型のリノベーション、リフォームのご相談を何件か頂いております。
佐伯区の現場ではリノベーションのプランニングが大詰めです。
こちらのお家は私たちの会社がある五月が丘で木造の中古住宅を購入され耐震と断熱リフォームを行う予定でプランニングしています。
今回は増税した場合に利用が可能な次世代住宅ポイント制度を考慮して、耐震化、断熱化、エコ住宅設備や家事負担軽減、リフォーム瑕疵保険の加入やインスペクションなども行う予定です。
単純な表装のリノベーション、リフォームでは無く性能を向上して健康で快適な住空間を目指して当初からご提案しました。
また設備過多にならず、パッシブデザインや自然素材も採用したしつらえの良いリノベーションを目指しています。
今回の様な大型のリノベーションが増えています。今週末も熊野町で入母屋の日本家屋の建物調査を行います。その後リノベーションのプランニングに入る予定です。
昨年も大型の性能向上リノベーションを2棟施工させて頂きお施主様にとても喜んで頂きました。
お話を聞く中で性能向上リノベーションをご依頼頂く方の傾向が少し分かってきたので書き出します。
①親の住んでいた実家に愛着があるけど暑かったり、寒かったりするので何とかしたい。
②今後も住み続けたいが耐震性に不安がある。
③ご両親のお家と近居する為に中古住宅を購入する、または実家に同居するのを機に工事する。
④建物よりも場所に魅力を感じ中古住宅を購入して工事する。
などの理由でお問合せを頂いています。
どの理由もそれぞれお施主様の事情がありますが、どのお家も快適性や安全性を高めて今後も住んでいきたいというご要望が多いと思います。
私たち工務店として木造の住宅の耐震化や断熱化は宿命でもあり、需要が見込まれる市場だと思います。
しかし木造住宅はお家によって劣化状況が異なり、図面の通りに構造が組まれていない事もしょっちゅうです。
手も掛かり大変な部分も多く、現場の対応力や知識が必要になります。
こちらの現場でも事前に調査を行い、耐震や劣化状況を入念にチェックさせて頂きました。
詳細の内容を詰めて、安心してリノベーションして頂ける様に精一杯ご提案したいと思います。
今後の進捗をお楽しみに!
以上、名藤でした!!