
日本は地震大国であり、住宅の耐震性は暮らしの安心に直結します。特に1981年(昭和56年)以前に建てられた旧耐震基準の住宅では、耐震補強が重要な課題です。建物のリノベーションを検討している方は、耐震補強工事を検討してみましょう。
本記事では、リノベーションに関する基礎知識や耐震補強工事の費用、実際の事例まで幅広く紹介します。リノベーションで耐震補強をするべきかどうかを迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
リノベーションの際は耐震補強工事を検討しよう
リノベーションをする際に、住宅の耐震性を確認することは大切です。日本は地震が頻繁に発生する国であり、安全のためには住宅の耐震性の強化が欠かせません。古い住宅でも、耐震補強工事を実施することにより、快適で安心・安全な住環境を実現できるでしょう。
もしリノベーション後に別途耐震補強工事を行うとなった場合、追加のコストがかかります。しかし、リノベーションと同時に耐震補強工事を進めることで、費用面を抑えられる可能性があるため、将来的に耐震補強を行う予定がある場合は、リノベーション段階での耐震性の見直しがおすすめです。
そもそもリノベーションとは

リノベーションとは、既存の建物に対して改修を行い、その価値を向上させることを意味します。英語で「renovation」と書かれ、日本語では「修復」や「刷新」と訳されます。
リノベーションの主な目的は、古くなった建物を新しく生まれ変わらせることです。たとえば、中古物件を購入し、間取りや設備を工夫して自分好みの家にしたり、家族構成の変化に合わせて住みやすい空間に作り替えたりする場合に活用されます。
リノベーションとリフォームの違い
リフォームは英語で「reform」と書き、日本語では「改善」や「改良」といった意味を持ちます。リフォームの意味は、老朽化した建物を新築に近い状態に戻すことです。リフォームでは、家具や電化製品の跡、経年劣化による損傷などの劣化部分を修繕し、新築のような状態に復元します。
リノベーションとリフォームを比較すると、リノベーションのほうが工事規模が大きくなることが一般的です。リフォームは元の状態を復元することが主な目的ですが、リノベーションでは既存の構造やデザインを大幅に変更し、性能や機能性を高めることを目指します。どちらを選ぶかは、改修する範囲や目的によって決まるといえるでしょう。
リノベーションの種類

リノベーションは、施工範囲によっていくつかのタイプに分けられます。代表的なのが「フルリノベーション」「表層リノベーション」「部分リノベーション」の3つです。以下では、施工範囲によるリノベーションの種類について紹介します。
フルリノベーション
フルリノベーションとは、建物全体をまるごと改修するタイプのリノベーションです。既存の間取りや設備を一度すべて解体し、新しいプランに沿って再構築していきます。間取りや設備をゼロから見直すことで、家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応した住まいづくりが可能です。
旭ホームズでは、フルリノベーションに準じた耐震補強や断熱性能の向上、さらには老朽化対策を同時に行う「性能向上リノベーション」をご提案しております。なかでも耐震補強を行う場合は、比較的大規模な工事となることが一般的です。
表層リノベーション
表層リノベーションは、壁紙やフローリングといった目に見える部分の改修を行うタイプのリノベーションです。キッチンや浴室などの水まわりに関しても、レイアウト変更などの大掛かりな工事は行わず、既存の位置に新しい設備を取り付けるといった対応が多くなります。
比較的手軽に行えて、コストを抑えやすい一方、建物の内部にある配管や構造部分までは変えられません。劣化が進行している部分に気づきにくく、後々トラブルが発生するリスクがあるので、状況によってはフルリノベーションを視野に入れましょう。
部分リノベーション
部分リノベーションは、住まいの一部に限定して改修を行うタイプのリノベーションです。
たとえばキッチンやリビング、浴室など、生活に大きく関わる場所だけを新しくしたいときに適しています。工事範囲が限られているので、フルリノベーションに比べて費用を抑えやすく、生活への影響も比較的小さく済むでしょう。
ただし、部分的なリノベーションは、家全体の統一感を出すのが難しい場合があります。また、床下や天井を撤去しないままの工事では、内部の配管や電気配線の劣化に気づきにくいという課題もあります。将来的に建物全体を見直す可能性がある場合は、長期的な視点でフルリノベーションを検討しましょう。
リノベーションで耐震補強が必要かどうかの判断基準

リノベーションを検討する際、建物の構造的な安全性を見直すことは非常に重要です。なかでも耐震補強が必要かどうかの判断は、住まいの築年数が大きな手がかりとなります。
ひとつの目安となるのが「1981年(昭和56年)」以降に建てられたかどうかという点です。1981年を境に、建築基準法における耐震の基準が大きく変わりました。いわゆる「旧耐震基準」によって建てられた建物は、震度5強程度の中規模地震で倒壊しないことが基準です。
しかし、実際に2024年(令和6年)の能登半島地震では、最大震度7の大規模地震が発生しており、多くの旧耐震建物が被害を受けました。このような現状をふまえると、旧耐震基準で建てられた建物をそのまま使用し続けることにはリスクが伴います。
そのため、1981年より前に建築された住宅をリノベーションする場合は、まず耐震診断を行い、必要に応じて耐震補強工事を視野に入れましょう。リノベーションは、表面的な改修だけでなく、建物そのものの強度にも目を向けることがポイントです。
関連記事:築年数と耐震性の関係とは?旧耐震基準と新耐震基準の違いや築年数から耐震基準を知る方法
耐震補強リノベーションの費用は?
リノベーション工事の場合、間取りや断熱改修を含めた工事と一緒に耐震補強工事を行うことが多く、明確な費用相場を出すことはできません。
参考として、一般財団法人日本建築防災協会が公開した耐震補強工事の費用相場を紹介します。なお、以下の費用相場は2020年公表当時のものであり、昨今の物価高騰については考慮されていません。
木造住宅(平屋建て)の場合 | ・耐震改修工事は100~150万円で行われることが多い ・全体の半数以上の工事が約140万円以下 |
木造住宅(2階建て)の場合 | ・耐震改修工事は100~150万円で行われることが多い ・全体の半数以上の工事が約190万円以下 |
リノベーションと耐震補強工事を同時に行う場合は、上記の費用に加えてリノベーションにかかる費用が別途かかると考えましょう。リノベーションの内容によって金額は大きく変動するため、具体的なプランに応じた見積もりを取ることが大切です。
旭ホームズのリノベーション事例

リノベーションの一例として、旭ホームズが手がけた「海風の家」の事例を紹介します。「海風の家」では、将来1階だけで快適に暮らせる住まいを意識しつつ、断熱・耐震性能を高める性能向上リノベーションを行いました。
暗さが気になっていたLDKは、窓の大きさはそのままに高断熱の樹脂窓へ交換。床には無垢の床材、壁紙には紙布クロスを採用し、温もりと快適さを両立させた空間にしました。隣接する洋室は将来の寝室として設計されており、水まわりへの動線も含めて暮らしやすさが細やかに考えられています。
また、L字からI型へと一新されたキッチンは、明るくスッキリとした印象に。収納力も確保され、見た目と使い勝手の両立が叶いました。洗面脱衣室や浴室、玄関などはすべて断熱改修を行い、家全体が寒さに悩まされない暖かな空間へと生まれ変わっています。
古くなった障子を再活用してつくられた紙布の簾戸や、雰囲気を壊さず丁寧に整えられた和室など、住まいに対する想いを汲み取った設計も旭ホームズならでは。機能性と心地良さ、そして暮らしの未来を考えたリノベーションで、住まいの魅力を最大限に引き出しています。
旭ホームズは木造住宅の耐震補強工事の実績が豊富で、性能向上リノベデザインアワード2022では広島県唯一の特別賞を受賞。見た目だけでなく、性能にもこだわりを持ってリノベーションを行っています。リノベーションについてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
旭ホームズの性能向上リノベーションについて詳しくはこちら
広島でリノベーションをするなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。
広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。
所在地 | 〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8 |
定休日 | 日・祝・水 ※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。 ※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。 |