2025年3月26日

耐震リフォームの方法とは|工事の流れや耐震補強の施工事例を紹介

  • コラム
耐震リフォームの方法とは|工事の流れや耐震補強の施工事例を紹介

耐震リフォームは、築年数や建物の構造に応じて、最適な補強方法を選ぶことが大切です。

本記事では、耐震リフォームの基礎知識のほか、基礎の補強、壁の補強、屋根の軽量化など、代表的な耐震リフォームの方法や、耐震リフォームを実施する流れについて詳しく解説します。また、旭ホームズが手掛けた性能向上リノベーションにより、実際に耐震性能が改善した事例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

耐震リフォームの基礎知識

はじめに、耐震リフォームの基礎知識として「耐震」「制震」「免震」について理解しておきましょう。

耐震とは、建物自体を強化し、地震の揺れに耐える力を高める方法です。耐震リフォームで基本となるのはこの耐震補強で、まず建物をしっかりとした「強い箱」にすることが重要になります。

制震とは、地震の揺れを吸収・低減する装置を取り付けることで、建物のダメージを抑える方法です。制震ダンパーを取り付けることで、揺れを抑える効果が期待できます。ただし、耐震補強が不十分な状態で制震装置を導入しても、効果を十分に発揮できません。そのため、まず耐震補強をしたうえで、制震を組み合わせることが効果的です。

免震は、建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れを建物に伝わりにくくする方法です。免震は大きなビルやマンション、工場などで導入されるケースが多く、一般的な住宅ではあまり採用されません。

地震対策はまず「耐震」が基本です。耐震性の低い建物に制震や免震を導入しても十分な効果は得られません。耐震補強をしたうえで制震を組み合わせることで、より効果的な耐震性能が期待できます。

耐震リフォームの方法

耐震リフォームを実施する場合は、建物の状態や築年数、構造に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。ここでは、基礎の補強、壁の補強、屋根の軽量化といった代表的な耐震リフォームについて詳しく解説します。

基礎の補強

建物の基礎の補強を行う際には、まず基礎の配筋を確認することから始めます。配筋の調査は、基礎に鉄筋が入っているか、劣化が無いか、リフォームによる破壊などがないかを調査する検査です。

基礎の劣化と配筋に問題がなければ、次に壁の補強について検討する流れになります。基礎の補強が必要になる場合、費用が数百万円単位で変動することがあり、建て替えを視野に入れるケースも少なくありません。

壁の補強

開口部が多く壁が少ない住宅や筋交いが入っていない住宅は、地震により倒壊や大破するリスクがあります。このような場合は、新たに壁を増設したり既存の壁を補強したりすることで、耐震性を高めることが可能です。壁の補強費用は施工面積によって変動します。

旭ホームズでは、筋交いや、耐力のある耐震補強工事用のパネルを採用しています。新築同等の耐震性、断熱性を持つよう、性能にこだわったリフォームを実施いたします。

屋根の軽量化

重い屋根から軽い屋根に変更することで、耐力壁の量や配置、強度の調整が比較的容易になります。屋根が軽くなると建物全体への負荷が減少し、必要な耐力壁の強度や配置条件が緩和される可能性があるためです。

ただし、法改正により令和7年4月から、屋根の改修面積が建物の総水平投影面積に対して過半を超える場合は建築確認が必要になります。今後は、屋根の軽量化を含むリフォームが安易に進めにくくなる可能性があるため注意が必要です。

耐力壁とは

耐力壁とは、地震に耐えるために必要な壁です。耐力壁は量だけでなく配置のバランスを考慮しなければ、地震で建物が倒壊する恐れがあります。そのため、構造を計算することによって耐震補強用の耐力壁の量や配置を決めることが大切です。

耐震リフォームの流れ

耐震リフォームの流れは以下の通りです。

  1. ヒアリング
  2. 既存の建物の情報収集
  3. 現地調査
  4. 耐震改修案の提示
  5. 費用の確認
  6. 工事内容の確認
  7. 契約
  8. 着工

耐震リフォームでは、特に建物調査前のヒアリング、情報収集が大切です。古い建物の場合、耐震補強に大きなコストがかかります。基礎の補強が入ると数百万単位で費用が変動するので、建て替えを視野に入れる必要があるでしょう。

また、工事内容の確認時には、住みながら工事を進められるかどうかを確認します。工事の規模によっては、家具の移動や仮住まいなどをお願いする可能性があります。

耐震リフォームの注意点・ポイント

耐震リフォームの注意点・ポイント

耐震リフォームで理想の住まいを手に入れるためには、建物の状態やコスト、将来性を踏まえたうえで適切な方法を選ぶことが重要です。ここでは、耐震リフォームを行う際に押さえておきたい注意点や、効果的な補強を実現するためのポイントについて解説します。

工事前にインスペクションと耐震診断を行う

耐震リフォームを進める前に、建物の状態を正確に把握することが重要です。インスペクションや耐震診断を行うことで、建物の状態や耐震性能を正しく把握できます。

インスペクションとは、既存住宅の点検・調査のことです。耐震診断とは、壁の量や劣化度などを確認して建物の耐震性を評価することを指します。特に、1981年以前に建築された建物は、耐震性能が不十分である可能性が高いとされています。診断を受けることで、必要な補強の有無を判断することが可能です。

インスペクションや耐震診断の結果をもとに、必要な補強箇所や最適な工法を判断できるため、無駄な工事やコストを抑えられます。診断結果を踏まえて、建物に合った耐震リフォームを計画しましょう。

状況に応じて異なる選択肢を検討する

耐震リフォームでは、築年数や建物の仕様によって基礎補強などに大きなコストがかかる場合があります。

ご実家や思い入れのある建物の場合は、費用をかけてでも補強を検討したほうが良いかもしれません。しかし、コストパフォーマンスが見合わない場合や、その場所で耐震補強を行うメリットが少ない場合には、建て替えや別の方法が良い可能性があります。

耐震リフォームを検討する際は、費用対効果や建物の将来性を踏まえたうえで、最適な方法を選ぶことが重要です。

補助金・減税制度を活用する

耐震リフォームを実施する際には、国や自治体が実施している補助金や減税制度を活用できる場合があります。

補助金を利用すれば、工事費用の一部が助成されるため、自己負担を軽減できるかもしれません。また、耐震リフォームにかかる費用自体を抑えられるわけではありませんが、減税制度によって所得税の減税措置が適用される可能性があります。

このような補助金・減税制度を活用することで、コストを抑えながら効果的な耐震リフォームを実現できるでしょう。制度の詳細な情報や申請方法については、国土交通省や自治体のWebサイト・窓口で確認しておくことをおすすめします。

関連記事:耐震リフォームの費用相場は?補助金・減税制度を活用しよう

旭ホームズの性能向上リノベーション

旭ホームズでは、徹底したインスペクション(既存住宅の点検・調査)を行い、住まいの耐震性と断熱性を向上させるリノベーションをご提案しています。ここでは、快適な住環境を提供できる旭ホームズならではのリノベーション事例を紹介します。

旭ホームズの性能向上リノベーションについて詳しくはこちら

耐震補強の施工事例『風薫る家』

耐震補強の施工事例『風薫る家』
素の家リノベーション『風薫る家』

築30年以上のお家を、オシャレで高性能なお家にリノベーションしました。

リノベーション工事前にはインスペクションを行い、さらに小屋裏や床下の調査、そして耐震診断を同時に実施しました。今回のリノベーションによって、以下のように耐震性能が大幅に改善しています。

【一般財団法人 日本建築防災協会 木造住宅の耐震診断と補強方法 一般診断法による診断(上部構造評点)】

BEFORE0.60(倒壊する可能性が高い)
AFTER1.54(倒壊しない)

外部では、屋根、外壁、そして窓の更新を行い、耐震性と断熱性を強化しました。外壁には耐震補強用の構造用合板を貼り、その上に乾式サイディングを施して塗装。屋根は軽量化のために、一部下地を更新し、軽量の屋根材に葺き替えました。

インテリアでは、思い出のあるお家の梁やお庭を生かしつつ、造作家具やオーダーキッチンなど、こだわりのデザインを取り入れています。機能性とデザイン性を兼ね備えた高性能な住空間の事例です。

耐震補強の施工事例『団欒の家』

耐震補強の施工事例『団欒の家』
素の家リノベーション『団欒の家』

素の家リノベーション『団欒の家』は、長期優良住宅化リフォーム推進事業に採択された、築35年以上の和風建築のお家です。リノベーション前に徹底的なインスペクションを行い、耐震補強と断熱改修を実施。細かく分かれていたお部屋を一新し、広々としたLDKを持つ、現代的で快適な住まいに生まれ変わりました。

リノベーション工事前にインスペクションと耐震診断を実施し、さらに小屋裏や床下の調査をオプションで行いました。今回のリノベーションによって、以下のように耐震性能が向上しています。

【一般財団法人 日本建築防災協会 木造住宅の耐震診断と補強方法 一般診断法による診断(上部構造評点)】

BEFORE0.26(倒壊する可能性が高い)
AFTER1.04(一応倒壊しない)

また耐震性を高めるだけでなく、断熱改修を行い、住まい全体の快適性を大幅に向上させました。建物の性能を上げて長寿命化を実現し、末永く快適で健康的な生活を提供できる住まいになっています。

旭ホームズの性能向上リノベーションは、単なる補強にとどまらず、住まいの快適性を高めるための確かな技術が詰まっています。耐震性、断熱性、デザイン性を兼ね備えた住まいをお求めの方は、ぜひ旭ホームズにご相談ください。

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。

広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

所在地〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8
定休日日・祝・水
※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。
※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。

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