2024年9月13日

戸建ての断熱リフォームまとめ|施工内容・工期・費用相場・補助金など

  • コラム
戸建ての断熱リフォーム事例(素の家リノベーション『風薫る家』より)

「冷暖房を常にかけていないと快適に過ごせない」
「高騰していく光熱費をどうにかしたい」
「今のお家の良さを生かしつつ性能をアップさせたい」

今回はこのようなお悩みをお持ちの方に向けて、戸建ての断熱リフォームについて解説します。

断熱リフォームは決して安い工事ではありませんが、大切なお家と暮らしを維持するためにかかるトータル的なコストを考えると、費用対効果に優れていると言えます。なにより、夏の暑さ・冬の寒さによるストレスが軽減し、とても快適な暮らしが実現します。

私たち旭ホームズでの事例を交えながら、リフォームで得られる断熱効果や施工内容、費用相場などをご紹介していきますので、ぜひ参考にご覧ください。

戸建ての断熱リフォーム(窓/天井・屋根/床/壁)

戸建ての断熱リフォームは、『窓』『天井・屋根』『床』『壁』の4つの要素に分けて考えられます。

そして「窓だけ」「天井だけ」のように要素ごとにリフォームするケースもあれば、家全体をリノベーションするケース、全体ではなく浴室やリビングなど特定の空間のみをリフォームするケースもあります。

なお、要素ごとにリフォームして断熱性能を上げる場合、現在のお家の状況や悩まれていることにもよりますが、旭ホームズでは断熱性能とコストのバランスなどから「窓→天井→床→壁」の順番でご提案することが多いです。

戸建ての断熱リフォームでは一体どのような工事を行い、どのような効果が得られるのか、要素別に各リフォーム内容をまとめていきます。

戸建ての断熱リフォーム①:窓などの開口部

窓の断熱リフォーム(複層ガラス)

窓は家の中で熱の出入りが最も多い場所ですので、断熱リフォームを検討する際は、コストパフォーマンスの良さなどもあり、まず窓のリフォームを検討するのが一般的となっています。窓を高断熱化すれば、居室の断熱性能が向上するのに加えて、隙間風が低減しますし、結露の発生も抑えられます。

そして窓の断熱リフォームでは、断熱性能の高い樹脂サッシや複層ガラスなどを採用するのですが、今ある窓とサッシをすべて外して取り替える方法以外に、内窓を取り付けたり、既存の窓枠の上に新たな窓枠を取り付けたり(カバー工法)と、今ある窓を撤去せずに行えるリフォームもあります。

工期については、半日〜4日程度を見ておくと良いでしょう。

関連記事:窓・サッシの断熱リフォーム費用は?施工別の費用相場と補助金について

関連記事:窓の断熱は「ガラスの空気層と窓の素材」が重要!断熱窓の原理や仕組みをわかりやすく解説

戸建ての断熱リフォーム②:天井・屋根

天井断熱リフォーム

天井・屋根の断熱化は、鍋でいうとフタとしての役割を果たします。夏場は外からの熱の侵入を防ぎ、冬場は室内の暖まった空気が上昇して逃げていくのを防いでくれます。

天井・屋根の断熱リフォームでは、天井のすぐ上に断熱材を入れる方法(天井断熱)と、屋根部分に断熱材を入れる方法(屋根断熱)の2パターンがあり、どちらを採用するかは家の構造によって判断するのが一般的です。

例えば、梁を見せる勾配天井(屋根の形に沿って斜めにした天井)を採用しているお家や天窓のあるお家、ロフトなど屋根の下に空間を設けているお家では、天井の上に断熱材が入れられないことがあるので、屋根自体を断熱化します。

天井断熱の施工方法は、天井裏に潜り込んで断熱材を入れる方法と、天井を解体してしたから断熱材を天井に置く方法があり、断熱材にはセルロースファイバーやグラスウール、ロックウールといった繊維系断熱材を使用するのが一般的です。なお、上記の事例では天井裏に潜り込んでセルロースファイバーを吹き付けています。

一方、屋根断熱は屋根の構造部分に断熱材を入れる充填断熱と、屋根の外側を断熱材で覆う外張り断熱のどちらかを採用します。充填断熱では天井と同じように繊維系の断熱材を使用し、外張り断熱では押し出し法ポリスチレンフォームなどの発泡プラスチック系断熱材を使用します。

また、工期の目安は1週間程度です。

関連記事:【施工事例】天井断熱リフォームの効果は?数値比較や費用相場を解説

戸建ての断熱リフォーム③:床(床下)

床断熱リフォーム

床の断熱リフォームは、特に冬場の底冷えに効果を発揮します。

戸建てはマンションと違って1階部分の床が地面に近いこともあり、外気の影響を受けやすくなっています。さらに床下に設けた換気口から冷気が侵入することで、足元が寒くなりがちです。床下に断熱材を丁寧に施工すれば、冬場の底冷えが低減させられるだけでなく、空調が効きやすくなりますので、省エネ効果も期待できます。

床の断熱性能を上げる方法には、床下に断熱材を入れる床断熱工法と、住宅の基礎を断熱材で覆う基礎断熱工法の2パターンがあり、断熱リフォームではコストパフォーマンスの良さから前者の床断熱工法を採用する傾向にあります。私たち旭ホームズでもまずは床断熱工法をご提案しております。

ちなみに、床断熱のリフォームは基本的に床を解体しての作業になります。床を壊さずに施工することも可能ですが、床下に潜り込んでの作業となるので、状況によって施工性が悪くなったり、コストがあがったりとデメリットが多く、あまりおすすめはしていません。

工期については、解体や張り替えなどを含むこともあり2〜3週間程度かかります。

関連記事:【床断熱リフォームの内容や費用目安】施工事例や補助金も紹介

関連記事:床下に断熱材は必要?床断熱の目的や断熱材の特性について

戸建ての断熱リフォーム④:壁

壁充填断熱リフォーム

壁を断熱リフォームすると、温度管理・湿度管理がしやすくなるので暮らしの快適性が上がり、エネルギー効率も向上することから光熱費の削減にもつながります。

施工方法としては、壁内部に断熱材を入れる充填断熱と、壁の外側を断熱材で覆う外張り断熱工法、充填断熱と外張り断熱を組み合わせた付加断熱があります。

戸建ての木造住宅を新築する際は充填断熱を採用するのが一般的ですので、築年数があまり経過していないお家の場合は、外張り断熱リフォームで断熱性能をアップさせていきます。

一方で、築年数が古く、壁内部の断熱材では不十分な場合は、耐震改修工事も兼ねて、壁を解体し、充填断熱リフォームを実施していきます。外張り断熱を併用する付加断熱にすることも可能です。

また最近では少なくなりましたが、古くからある日本の木造建築は、構造上、壁と屋根・壁と床が接合する部分に隙間があります。隙間があると壁の中で気流が生まれ、断熱性能が薄まってしまいますので、この隙間を断熱材で埋める「気流止め」という施工をしていきます。

リフォームにかかる期間は、今ある壁の解体や張り替え、足場の設置・解体、耐震改修などの工事も同時に行うケースがあることから、最低でも2週間、長くて1ヶ月程度はかかります。

なお、上記の写真は充填断熱と外張り断熱の両方を施工した、弊社の「性能向上リノベーションモデルハウス」の施工経過です。高気密・高断熱なお家をご体感いただけますので、お気軽にお越しください。

関連記事:壁の断熱リフォームは何をする?費用相場や補助金は?

関連記事:【木造住宅の断熱】充填断熱工法とは?外張り断熱・付加断熱との違いも

戸建ての断熱リフォームにかかる費用相場

戸建て全体(30坪前後)の断熱リフォームにかかる費用相場は、各要素ごとに以下の通りです。

リフォーム内容費用相場
開口部100〜200万円程度(20箇所前後)
天井・屋根60〜70万円程度
60〜70万円程度
300〜400万円程度(外張り)
700〜800万円程度(充填+外張り)

断熱効果の高い製品ほど価格も高くなっていき、必要な作業や資材が増えるとその分の費用も加わるとお考えください。

また、リフォームやリノベーションにかかる費用は、例えば耐震改修もした方が良いなど、既存の建物状況によって差が生じやすくなっています。ただ、開口部や床のリフォームについては比較的コストの見通しが立てやすく、さらに断熱性能も向上しやすいので、コストパフォーマンスの高い内容だと言えるでしょう。

断熱リフォームに活用できる補助金制度

戸建ての断熱リフォームは、補助金制度を活用できる場合があります。申請要件を満たしているか、申し込み上限に達していないか、評価基準を満たしているかなどのハードルはありますが、採択されると数十万〜数百万円の補助が出ますので積極的に活用をおすすめしています。

※補助金は毎年内容が変更されますので、公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

リフォーム内容該当する補助金
開口部・先進的窓リノベ2024
・子育てエコホーム支援事業
天井・屋根・子育てエコホーム支援事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業

戸建ての断熱リフォーム事例

戸建ての断熱リフォーム事例(素の家リノベーション『風薫る家』より)

素の家リノベーション『風薫る家』

こちらは築30年以上経過した木造在来工法2階建ての断熱リフォーム例です。

インスペクション(第三者による客観的な調査)を行い、断熱改修・耐震改修を実施。思い出のある梁やお庭などは生かしつつも、新たに造作家具やオーダーキッチンなどを採用し、高性能で快適なお家に生まれ変わりました。

【断熱性能の比較】平成25年基準で試算

BEFOREAFTER
外皮平均熱貫流率Ua値=1.7(NG)Ua値=0.6(OK)
冷房期の外皮平均日射熱取得率ηA値=4.7(NG)ηA値=2.1(OK)
単位温度差あたりの外皮熱損失量q値=657.8q値=235
単位日射強度あたりの冷房期日射熱取得料mc値=17.99mc値=8.27
単位日射強度あたりの暖房期日射熱取得料mh値=23.85mh値=12.5

詳しい施工内容およびリフォームの経過>

旭ホームズの高断熱仕様について>

戸建ての断熱リフォーム実例を続々公開中!

戸建ての断熱リフォーム事例(素の家リノベーション『風薫る家』より)

旭ホームズでは、公式サイトにて戸建ての断熱リフォーム実例を随時公開しております。

戸建ての断熱リフォーム実例>

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広島で戸建ての新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

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木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。

広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

所在地〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8
定休日日・祝・水
※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。
※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。

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