2024年8月23日

壁の断熱リフォームは何をする?費用相場や補助金は?

  • コラム
壁の断熱リフォームは何をする?費用相場や補助金は?

今回は壁の断熱リフォームに焦点をあて、どのような方法があるのか、また費用相場についても解説します。

利用可能な補助金や床・天井の断熱リフォーム費用にも触れていますので、既存住宅の断熱リフォームを検討されている方は参考にご覧ください。

【基本知識】壁の断熱リフォームとは?

まずは壁断熱リフォームで得られる効果やポイントをご紹介します。

壁断熱リフォームの効果

壁断熱リフォームの効果は、夏の涼しさ・冬の暖かさなどの快適性が得られることです。さらに断熱性能が上がると湿度管理もしやすくなるので、結露などのお悩みも少なくなります。

【壁断熱リフォームの効果】

  • 暑さ寒さが低減し、暮らしが快適になる
  • 省エネにつながり、光熱費が削減できる
  • 結露などを減らすことにも繋がる

関連記事:断熱効果を高める家づくりのポイントとは?メリットや事例など

壁断熱リフォームでは断熱と気密がセット

壁の断熱リフォームでは、断熱性能を高めることに加えて、住宅に意図せぬ隙間を作らないことも重要です。そのため、断熱リフォームでは断熱と気密をセットとして考え、断熱性能と気密性の両方を高めていく施工が大切です。

詳しくは「断熱リフォームのポイントについて」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

【施工内容】壁の断熱リフォームは何をする?

【施工内容】壁の断熱リフォームは何をする?(「素の家リノベーション『自然と共に暮らす家』」より
【施工内容】壁の断熱リフォームは何をする?(「素の家リノベーション『自然と共に暮らす家』」より)

素の家リノベーション『自然と共に暮らす家』

外壁部分の断熱リフォームでは、壁自体の断熱効果を高める方法と、開口部である窓を断熱化する方法があります。

特にリフォームでは、壁の断熱性能を向上させるよりも、まず窓の断熱リフォームを検討するのが一般的です。というのも、住宅において熱の出入りが最も多い場所が「窓」だからです。

しかし、築年数が古い場合、いくら窓の断熱性能を向上させたとしても、壁に断熱材が入っていない場合や隙間がある場合は熱が出入りしてしまうので、壁そのものの断熱リフォームや改修工事を検討するなど、状況を見ながら判断していきます。

断熱リフォーム①:壁自体の断熱効果を高める施工

日本の住宅は木造の住宅が多くあります。木造住宅で壁の断熱効果を高める施工には、断熱材を壁の中に入れる「充填断熱」と、壁の外側に貼り付ける「外張り断熱」がありますが、充填断熱をベースとして、さらに断熱効果を高めるために外張り断熱を併用する工法も多くなってきています。

特に近年は省エネ化推進の動きやエネルギー価格高騰などの背景から、より高い断熱性能が求められるようになったため、充填断熱と外張り断熱の両方を採用する「付加断熱」を採用するケースが増えています。私たち旭ホームズでもご相談を受けたり、実際に取り入れることがあります。

また、築年数の古い住宅では、壁の中で空気の流れが発生しないようにする「気流止め」も同時に行い、断熱効果を高めていきます。

【壁自体の断熱効果を高める施工】

  • 充填断熱
  • 外張り断熱
  • 付加断熱(充填+外張り)
  • 気流止め など

どの断熱工法を採用するにしても、断熱材は可能な限り多く厚く入れること、そして、隙間のない丁寧な施工を行うことが、壁断熱リフォームのポイントだと言えるでしょう。

関連記事:【木造住宅の断熱】充填断熱工法とは?外張り断熱・付加断熱との違いも

断熱リフォーム②:開口部の断熱効果を高める施工

住宅で一番熱の出入りが多い場所は、開口部である窓です。数値としては、夏場に外から侵入する熱の約70%、冬場に室内から出て行く熱の約60%が、窓を経由していると言われています。

つまり、窓を断熱化するだけで、熱の出入りが大幅に低減させられるというわけです。

また窓の断熱化は、家の壁全体を断熱リフォームするより工期も費用も抑えられますので、コストパフォーマンスが非常に高いリフォームだと言えます。

具体的な施工内容としては、断熱窓への取り替えや内窓の取り付けを行います。

【開口部の断熱効果を高める施工】

  • 断熱窓への取り替え(複層窓、Low-Eガラス、樹脂サッシなど)
  • 内窓の取り付け など

日射熱への対策として、窓の上に小庇(こびさし)を後付けすることもあります。

関連記事:断熱対策はなぜ「窓」から?理由や今スグできる対策など

関連記事:窓の断熱は「ガラスの空気層と窓の素材」が重要!断熱窓の原理や仕組みをわかりやすく解説

【費用相場】壁の断熱リフォームはいくらかかる?

断熱方法には何がある?費用・工期別の断熱対策や業者選びのポイント

壁の断熱リフォーム費用には、材料費や施工費の他に、足場代や処分費、補強工事費などが含まれます。基本的に、使用する材料の性能や量、施工、施工範囲の増減に比例するように費用も上下していきますので、例えば耐震工事や防蟻処理が必要になると、その分費用も高くなります。

費用相場①:壁の断熱リフォーム

築年数の浅い住宅ではすでに充填断熱がされているケースがほとんどですので、外張り断熱を採用することが多いです。この場合、家全体(30坪前後)で300〜400万円程度が目安となります。

築年数が古く、壁内に断熱材を入れ直す必要がある場合は、充填断熱+外張り断熱の付加断熱リフォームとなり、足場の設置も含めて700〜800万円程度はかかる傾向です。

また、耐震の目安と同じ昭和56年以前に建てた家の場合は、充填断熱リフォームと耐震改修を一緒に行ったり、気流止め、構造の補強をする必要などもあるため、その分費用が上がります。

費用相場②:窓の断熱リフォーム

窓の断熱リフォームでかかる費用は、家全体(20箇所前後)で100〜200万円程度が目安となります。設置する断熱窓の数や大きさ、断熱窓のランクなどによって前後するものとお考えください。

壁の断熱リフォームで使える補助金は?

壁の断熱リフォームで使える補助金は?

壁の断熱リフォームでは、現在2つの補助金を利用することが可能です(2024年6月時点)。

1つは住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホーム支援事業、もう1つは長期優良住宅化リフォーム推進事業です。

住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホーム

住宅省エネ2024年キャンペーンとは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みで、住宅省エネ化を支援する4つの事業で構成されています。

【住宅省エネ2024キャンペーン】

  • 子育てエコホーム支援事業
  • 先進的窓リノベ2024事業
  • 給湯省エネ2024事業
  • 賃貸集合給湯省エネ2024事業

この内、壁の断熱リフォームでは「子育てエコホーム支援事業」を利用することができます。

【子育てエコホーム支援事業の概要】

対象子育て世帯・若者夫婦世帯
リフォーム内容外壁・床・屋根・天井・開口部の断熱改修
補助金原則1戸あたり最大20万円まで
※指定の条件に該当する場合は引き上げ可能
参考:住宅省エネ2024キャンペーン|子育てエコホーム支援事業事務局

なお、予算には上限があり、上限に達した時点で終了となります。
詳しい要件や最新の受付状況については、上記の公式サイトでご確認ください。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅や住宅ストック(中古物件)のリフォームを対象とした補助事業です。

子育てエコホーム支援事業は壁や窓など部分的な断熱リフォームも対象であるのに対して、長期優良住宅化リフォーム推進事業は家全体の断熱リフォームのみが対象となる点に注意してください。

【長期優良住宅化リフォーム推進事業の概要】

対象既存住宅の所有者
※他いくつかの要件を満たす必要あり
リフォーム内容下記に該当する性能向上リフォーム
【必須項目】
①構造躯体等の劣化対策
②耐震性
③省エネルギー対策
【任意項目】
④維持管理・更新の容易性
⑤高齢者等対策(共同住宅のみ)
⑥可変性(共同住宅のみ)
補助金評価基準型:1戸あたり80万円
認定長期優良住宅型:1戸あたり160万円
※一定の要件を満たした場合1戸あたり50万円が加算
参考:【PDF】令和6年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業に関する説明資料|国土交通省住宅局

なお、こちらも予算に上限があり、上限に達した時点で終了となります。
詳しい要件などについては公式サイトでご確認ください。

床断熱・天井断熱のリフォームの費用相場は?

床断熱・天井断熱のリフォームの費用相場は?

壁の断熱リフォームと一緒に床や天井の断熱リフォームを検討されている方に向けて、ご参考までに工事の概要と費用相場をご紹介します。

床の断熱リフォームの費用相場

冬の底冷えを解消したい場合は、床の断熱リフォームが効果的です。また、夏場も涼しく過ごすことができます。

床の断熱リフォームでは、床の下に断熱材を入れる「床断熱」と、基礎の部分に断熱材を張る「基礎断熱」の2つの方法があり、既存住宅のリフォームではコストパフォーマンスの良さから床断熱を採用するケースが多いです。

費用の目安としては、家全体(延べ床30坪前後)で40~50万円程度(解体・処分・下地・床材は含まず)となりますが、基礎断熱の場合はシロアリなどが発生しやすい特性上、防蟻断熱材・ホウ酸処理を行う必要があり、床断熱よりも費用がアップします。

関連記事:【床断熱リフォームの内容や費用目安】施工事例や補助金も紹介

天井の断熱リフォームの費用相場

天井断熱は鍋でいうと蓋の部分になり、冬も夏も重要な部分になります。私たち旭ホームズでも窓、床の次は天井の断熱をご提案しています。

最近の傾向としては、セルロースファイバーの天井吹き込みで250〜300㎜ほど施工する事例が増えており、費用感としては30坪前後の延べ床で60〜70万円程度です。コストパフォーマンスが高い断熱リフォームですので、家全体の断熱性能をアップさせたい場合はとてもおすすめです。

スタッフブログ:完成すると見えなくなる部分を丁寧に
スタッフブログ:断熱リフォーム工事はほぼ完了しました

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。

広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

所在地〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8
定休日日・祝・水
※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。
※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。

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