床の断熱性能が上がると、冬場の底冷えが抑えられるだけでなく、夏場も涼しく過ごすことができます。断熱性能の高い省エネ住宅はエアコンなどを必要以上に使う必要もなくなるので光熱費の削減にも繋がりますし、何よりとても快適です。

今回は「床断熱リフォームを検討しているが、工事内容や費用感がイマイチつかめない」「リフォームやリノベーションのついでに断熱性も向上させたい」という方に向けて、床の断熱性能を上げる方法や費用目安などを、実際の施工事例とあわせてご紹介します。

また、補助金の内容にも触れていますので、ぜひ参考にご覧ください。

床断熱リフォームの内容は？床断熱の工法について

床の断熱性能を向上させる方法には、「基礎断熱工法」と「床断熱工法」があります。どちらの工法も底冷えを抑えるのにとても有効な方法ですが、既存住宅での断熱リフォームでは、後者の床断熱工法が多く採用される傾向にあります。

基礎断熱工法と床断熱工法

基礎断熱工法では住宅の基礎に断熱材を張ります。

ただし、シロアリや結露が発生しやすい工法のため、防蟻・気密・結露に配慮する必要があり、その対策で別途費用が追加する場合があります。また、断熱材に厚みを持たせると、その分コストも上乗せされていきます。

厚い断熱材を施工する場合、部分的な解体のリフォームですと床下の部材の干渉などもあり施工性が悪くなる事もあるために費用とのバランスを検討する必要があります。このような事情から、基礎断熱は床断熱よりもトータル費用が高くなりがちです。

一方、床断熱工法では1階の床の下の部分に断熱材を入れます。基礎断熱と比べて床を解体すると容易に断熱材が施工できるので比較的費用が抑えられ、さらに基礎断熱と比べてシロアリなどの心配も少ない工法となっています。

このような理由から、隙間のない施工ができていれば、床断熱はコストバランスの良い施工だと言えます。逆に言えば、隙間があると断熱効果が薄れてしまうため、特に床断熱は施工品質が断熱性向上のポイントとなります。

関連記事：床下に断熱材は必要？床断熱の目的や断熱材の特性について

旭ホームズの床断熱リフォームへの考え

床断熱リフォームでは、私たち旭ホームズでもまずは床断熱工法をご提案しております。理由としましては、基礎断熱リフォームと比べて「比較的容易にできる」「コストがわかりやすい」「コストが抑えられる」からです。

また、間取り変更や床材の張り替えなどのリフォーム・リノベーションと同時に行う場合も、コストのバランスの良さから床断熱工法をご提案しております。

もちろん、基礎断熱工法でのご要望を頂きましたらご提案することは可能です。しかし、床断熱工法と比較するとコストがかかってしまうのと、シロアリなどのリスクもありますので、全体の予算や環境に配慮しながら進めていく形となります。

加えて、床断熱リフォームは比較的容易であるとお伝えしましたが、基本的には基礎断熱も床断熱も床を解体してのリフォームが基本となるので、家具の移動や仮住まいなどをお願いするケースがあります。

もし床を壊さずにリフォームされたいとのことでしたら、ウレタン吹き付けやセルロースファイバーの吹き込みなどを行うことも可能です。ただ、現場の状況によっては難易度が高く、施工性が悪くなったり、コストが上がったりといった側面もあり、やはり全体の予算を考慮しながら検討を進めていく流れとなります。

▼ウレタン吹き付け

床断熱リフォームの費用相場

床断熱リフォームの費用には、施工費用と材料費が含まれます。

【床断熱リフォームの費用に含まれる内容】

• 床の解体費用
• 断熱材の施工費用
• 断熱材
• 床材
• 下地材
• 処分費用　など

床断熱工法のリフォーム費用相場

床断熱工法によるリフォームの費用相場は75㎜で1㎡あたり5,000円〜6,000円程度です。セルロースの場合も90㎜で1㎡あたり6,000円〜7,000円程度になります。20坪ならウレタンで40万円程度、セルロースなら45万円程度を目安としていただくと良いでしょう。

ただし、リフォーム・リノベーションでは既存の状況で施工内容が大きく変わるので、上記の費用目安はあくまで参考程度としていただき、細かな費用については現場を見てから決まるとお考えください。

基礎断熱工法のリフォーム費用相場

基礎断熱工法では、床断熱と比べて使用する断熱材が防蟻効果のある物を採用する場合があります。断熱施工の他にホウ酸処理や防蟻対策が必要となるため、床断熱工法より費用が上がります。費用目安としては、20坪・ウレタン吹付で50〜60万円程度です。

ただ、床断熱工法と同じく、基礎断熱工法についても既存の状況次第で費用が大きく前後するので参考程度としてください。

なお新築の場合は、30坪（1階15坪）の延床の家で、標準のコストから50〜100万円程度（防蟻断熱材・ホウ酸処理を含む）アップするのが一般的です。

床断熱リフォームの施工事例と費用

こちらの事例は、解体込みの床断熱リフォーム工事となります。かかった費用としては、30坪・施工費のみで（解体・処分・下地・床材は含まない）およそ40〜50万円です。

また、弊社サイトの「リノベーション」内でご紹介している施工事例についてはほぼ床断熱リフォームを実施しています。ビフォーアフターや工事中の様子などを掲載していますので、ぜひ参考にご覧ください。

床断熱リフォームに使える補助金は？

床断熱リフォームで利用できる補助金は、住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホームと、長期優良住宅化リフォーム推進事業です（2024年6月時点）。

※補助金は毎年内容が変更されますので、公式サイトにて最新の情報をご確認ください。

住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホーム

住宅省エネ2024年キャンペーンとは2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みで、住宅省エネ化を支援する4つの事業で構成されています。

【住宅省エネ2024キャンペーン】

• 子育てエコホーム支援事業
• 先進的窓リノベ2024事業
• 給湯省エネ2024事業
• 賃貸集合給湯省エネ2024事業

この内、床断熱リフォームでは「子育てエコホーム支援事業」を利用することができます。

子育てエコホームは、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とした補助事業で、省エネ住宅の新築や、既存住宅の省エネリフォームに対して補助金を申請することが可能です。

補助金の上限額は原則1戸あたり20万円ですが、指定の条件に該当する場合は上限額を引き上げることができます。

またリフォーム内容については、床の断熱改修の他にも、外壁・屋根・天井・開口部の断熱改修が対象となっています。

なお、予算が上限に達すると、申請手続きが可能な期間中でも終了となります。

参考：住宅省エネ2024キャンペーン｜子育てエコホーム支援事業事務局

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅や住宅ストック（中古物件）のリフォームを対象とした補助事業です。

前述の子育てエコホーム支援事業は部分的な断熱リフォームも対象であるのに対して、長期優良住宅化リフォーム推進事業は家全体の断熱リフォームのみが対象となります。

補助金の限度額は評価基準型で1戸あたり80万円まで、認定長期優良住宅型で1戸あたり160万円まで、さらに一定の要件を満たすと1戸あたり50万円が加算されます。

また、補助金の申請には住宅の規模や用途、工事内容が要件を満たしていることに加えて、リフォーム後の住宅が下記の性能基準に適合していることも必要です。

【必須項目】
①構造躯体等の劣化対策
②耐震性
③省エネルギー対策

【任意項目】
④維持管理・更新の容易性
⑤高齢者等対策（共同住宅のみ）
⑥可変性（共同住宅のみ）

なお、長期優良住宅化リフォーム推進事業も予算が上限に達した時点で終了となります。

長期優良住宅の施工事例＞

参考：【PDF】令和6年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業に関する説明資料｜国土交通省住宅局

旭ホームズの床断熱リフォーム

床断熱リフォームは、断熱工事の実績と精度が重要だと考えています。

私たち旭ホームズは、戸建て住宅全体の断熱リフォームを得意とする工務店なのですが、新築住宅で培った断熱施工のノウハウを活かしながら、高性能なリフォーム・リノベーションもご提案しております。

また、第1回性能向上リノベデザインアワードでは、広島県で唯一特別賞を受賞しており、新築住宅だけでなく、断熱リフォーム・リノベーションの実績も豊富です。

モデルハウスでは冬の底冷えしない床もご体感いただけますので、広島近郊で高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

旭ホームズの高断熱仕様＞

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。

所在地	〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘２丁目８
定休日	日・祝・水 ※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。 ※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。