2024年8月19日

窓の断熱は「ガラスの空気層と窓の素材」が重要!断熱窓の原理や仕組みをわかりやすく解説

  • コラム
窓の断熱リフォーム(複層ガラス)

高断熱・高気密な家づくりを実現する際、開口部である「窓」の断熱化は欠かせません。そして、窓の断熱化において重要な要素の一つが、ガラスとガラスの間にある空気層と、窓に使用する素材です。

今回は、窓の高断熱化にガラスの空気層と素材がなぜ重要なのか、断熱の仕組み・原理などを実際の施工事例も紹介しながらわかりやすく解説していきます。

家の断熱化で「窓」が重視される理由

住宅における熱損失が多い場所、つまり温かい空気が逃げやすい場所は、窓や玄関などの開口部です。中でも「窓」が最も熱の出入りが多い場所で、夏場に外から入ってくる熱のおよそ7割が、冬場に室内から出ていく熱のおよそ6割が窓だとされています。

そのため、断熱リフォームの際はまず窓の高断熱化を進めていくのが一般的となっています。

そして、窓の断熱化は「対流」「熱伝導率」「太陽からの熱」の3要素を低減させることがポイントで、高断熱窓はこれら3つの要素を低減させるための工夫が施されています。

関連記事:断熱対策はなぜ「窓」から?理由や今スグできる対策など

ガラスの空気層と断熱の関係

断熱対策はなぜ「窓」から?理由や今スグできる対策など

窓断熱のポイントとなる「対流」とは、温度差によって流体が移動・循環し、それに伴って熱も移動・循環する現象のことです。空気の場合、温かい空気は上へ、冷たい空気は下へと流れ込む現象が繰り返されるのですが、静止した空気は個体や液体と比べて対流が発生しにくく、同じ場所に留まりやすいという性質を持ちます。

さらに、空気は窓断熱のポイントとなる「熱伝導率(熱の伝わりやすさ)」が非常に低い物質でもあります。

このような空気の性質を活かしたのが、ガラスを2枚以上使い、ガラスとガラスの間に空気の層(中空層)を作った複層窓です。ガラスの間に静止した空気層を設けることで、熱の移動を抑制するという効果を持たせているのです。

複層窓には、2枚のガラス+1つの空気層でできた複層ガラスや、3枚のガラス+2つの空気層でできたトリプルガラス、空気層が真空層になっている窓を真空ガラスがあります。なお、理論上、真空状態では対流が全く発生しないので、通常の空気を含んだ層よりも断熱性能がアップします。

▼トリプルガラスの使用事例/素の家『大自然の中の映える家』

トリプルガラスの使用事例/素の家『大自然の中の映える家』

大きな空気層がある高断熱窓は結露が発生しにくい

空気の層は厚ければ厚いほど断熱効果が高まるのですが、大きな空気層のある高断熱窓は、結露の発生も防いでくれます。

結露とは冷たい窓ガラス表面に暖かい空気が触れて水滴になる現象です。つまり、ガラス表面と空気の温度差が大きいほど結露が発生しやすくなるので、その温度差を少なくすることが結露の発生を抑えるポイントとなります。

特に結露が発生しやすいのは冬場ですが、断熱性能が低い1枚窓の場合、室外の冷えた空気によって室内に面する方の窓ガラス表面も冷やされ、温められた空気との温度差で露点に達すると結露が発生します。

熱が伝わりにくい空気の層を大きく設けると室内側のガラスが冷えにくくなって温度差が抑えられるので、結果的に結露が発生しにくくなるというわけです。

窓の素材と断熱の関係

窓の断熱性能は、ガラスとガラスの間に設ける空気層の他に、サッシとガラスに使用する素材でも変化します。

日本の住宅の多くは、安価で軽量なアルミサッシが採用されていますが、アルミは非常に熱伝導率が高い(熱を伝えやすい)素材です。そのため、高断熱な家づくりを目指す際は、アルミではなく熱伝導率が低い樹脂を使った樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシを使います。

また窓の大部分を占めるガラスは、本来熱を通しやすい物質で、さらに厚み自体も薄いので、太陽からの日射熱や赤外線をよく通してしまいます。

この欠点を補うために、特殊な金属膜(Low-E膜)をコーティングし、断熱化のポイントである「太陽からの熱」を低減させた窓が、Low-EガラスやLow-E複層ガラス、エコガラスと呼ばれる窓です。

Low-Eガラスには、冬の断熱性能を重視した日射取得型と、夏の遮熱性を重視した日射遮蔽型があり、どちらも金属膜をコーティングする点は同じなのですが、日射取得型は日差しをほどよく取り入れるために室内側ガラスの空気層側にコーティングされ、一方で日射遮蔽型は強い日差しを遮るために屋外側ガラスの空気層側にコーティングされています。

LOW-Eガラスを採用した事例「暑い日にリノベモデルの温度を検証

窓の断熱化で最も重要なのは施工品質

窓自体の断熱性能がいくら高くても、施工がきちんとされていなければ、100%の断熱効果を発揮することができません。壁と窓の間に隙間があれば、そこから空気が出入りするので意味がないからです。実際、手抜き工事によってリフォームする前より寒さ・暑さを感じるようになったという方もおられるようです。

そのため、これから断熱リフォームなどを検討されている方は、製品のグレードだけでなく、ぜひ施工品質にも着目してみてください。例えば、モデルハウスや完成見学会に足を運んでみる、断熱性能・気密性能の数値を見せてもらう、現在工事中の様子を見学させてもらう、実際に住んでいる方に話を聞いてみるなどの方法があります。

旭ホームズの施工の様子・施工事例については、Youtubeや公式サイトにて随時ご覧いただけますので、ぜひご覧ください。

家づくりのポイントを解説する「旭ホームズYoutubeチャンネル」>

最新の施工例を紹介する「素の家Youtubeチャンネル」>

築年数が古い場合も窓のリフォームだけでOK?

築30年を超える住宅や、旧耐震基準時に建てられた住宅の場合、家そのものの気密性能・断熱性能が低い可能性があります。この場合、窓の高断熱化だけでなく、家自体の断熱リフォームと耐震改修を同時に進めるケースが多いです。

ただ、断熱性能・気密性能については築年数で一概にはかれるものではなく、実際の住宅を見ながら必要な施工をご提案する形となりますのでお気軽にご相談ください。

関連記事:断熱方法には何がある?費用・工期別の断熱対策や業者選びのポイント

【豆知識】断熱性能・気密性能の評価基準

断熱性能や気密性能は、数値で表すことができます。

断熱性能の評価基準は、国が定めた評価基準である「断熱等性能等級」や、高断熱化技術開発委員会という民間の団体が定めた評価基準「HEAT20」があり、評価には熱の逃げやすさを表す外皮平均熱貫流率(UA値)などが用いられます。

断熱性能の評価基準グレード
断熱等性能等級等級1〜7
※数値が高いほど性能が高い
HEAT20G1・G2・G3
※数値が高いほど性能が高い

一方で気密性能の評価基準には、家の大きさに対してどれだけの隙間があるかを示すC値という数値が用いられます。

なお、私たち旭ホームズがある広島県は北海道などの寒い地域と比べて温暖な気候ではありますが「断熱等性能等級6、HEAT20のG2(6地域/UA0.46)」を標準の仕様としております(2024年5月現在)。

旭ホームズの高断熱仕様について>

評価基準については「【断熱性の基準】断熱等性能等級とは?HEAT20やZEHとの違いなど」で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。

広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

所在地〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8
定休日日・祝・水
※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。
※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。

家づくりコラム

旭ホームズのスタッフの日常や建設中の物件などをご紹介しています。

無料会員登録

無料会員登録

家づくりの資料や会員様限定のプラン集など
会員だけのお得な情報を配信中!