2024年8月7日

断熱対策はなぜ「窓」から?理由や今スグできる対策など

  • コラム
断熱対策はなぜ「窓」から?理由や今スグできる対策など

断熱対策がされていない家は、エアコンの温度を下げても空気がなかなか冷えなかったり、暖房器具をつけていても足元の寒さが軽減されなかったりと、日々ストレスが多いものです。特に最近はエネルギー価格が高騰していますので、光熱費も馬鹿になりません。

そもそも「断熱」とは熱を断つことを意味し、住宅においては、室内と屋外間での熱の移動を防ぐ取り組みを断熱対策といいます。そして断熱対策では、熱の出入り口となりやすい「窓」への対策を真っ先に考えるのが基本となります。

そこで今回は、窓が断熱対策において最も重要な理由や、窓の断熱性能をアップさせる方法を解説していきます。さらに、今すぐ自宅でできる断熱対策、リフォームや新築で叶う断熱対策についても旭ホームズの施工事例を交えながらご紹介します。

断熱性能をアップさせて快適な暮らしを実現していきましょう。

断熱対策で最も重要なのは「窓」

室内の熱が逃げていく・屋外の熱が侵入するルートは開口部である窓が大部分を占め、冬場においては、家から外へ出ていく熱エネルギーのうち、なんと50%は窓から逃げているとされています。

つまり、窓の断熱化で住宅の断熱性能を大幅にアップさせることができるのです。

特に断熱リフォームにおいて、建物そのものの断熱性を上げるとなると、費用も工期もかかる大がかりなリフォームを必要としますが、窓の取り替えだけであれば1〜2日、長くても1〜2週間程度で完了します。

このような理由から、窓断熱は高断熱な家づくりの基本であるとともに、一番コストパフォーマンスが高い断熱対策だと言えるでしょう。

窓から冷気や暖気が入る理由

築年数が経過した家は、建付けが悪くなったりする事で窓と枠の間に隙間が生じ、そこから冷気・暖気が入り込む……という状態は、イメージしやすいかと思います。

しかし、窓から冷気や暖気が入り込むのは「隙間」だけが原因ではありません。実は隙間のない窓でも、物体を介して熱が移動する「熱伝導」や「対流」、「放射」という現象によって熱が室内・室外に伝わってしまうのです。

窓ガラスの熱伝導について

熱エネルギーは高い方から低い方に移動する性質があり、また熱エネルギーの伝わりやすさを表したものを「熱伝導率」といいます。熱伝導率の数値が高いほど熱が移動しやすく、反対に数値が低いほど熱が移動しにくくなります。

そして、窓の大部分を占めるガラス自体の熱伝導率は、実はそれほど高くなく、むしろ建築材料の中では低い方(熱が伝わりやすい)なのですが、熱の伝わりやすさは素材の性質に加えて、熱が伝わる距離、つまり部材の厚みも影響します。

一般的な窓ガラスの厚みは2mmから8mm程度と非常に薄いので、熱がとても伝わりやすいのです。

サッシ(フレーム)の熱伝導について

さらに、窓の断熱性能はサッシ(フレーム)にも大きく左右されます。

日本の住宅では、加工のしやすさや価格の安さなどの理由でアルミサッシが多く採用されていますが、アルミは非常に熱伝導率の高い素材です。つまり、断熱性能が低いということになります。

日本ではまだまだ主流のアルミサッシですが、海外ではその断熱性能の低さから、使用を制限しているところまであるくらいです。

窓の断熱性能はガラスとサッシの素材がポイント

「住宅の断熱化はまず窓から」と言われる理由は対流や放射の影響など他にもありますが、ポイントとなるのはガラスの断熱性能とサッシの素材選びです。また、そもそも夏場は日射熱を必要以上に入れないこと(日射遮蔽)、冬場は日射熱を上手く取り入れること(日射取得)も断熱や省エネ対策において非常に重要なポイントです。

【断熱対策のポイント】

  • 窓の断熱性能をアップさせる
  • 日射熱の扱い方を夏と冬で工夫する(日射遮熱/日射取得)

窓に断熱対策がされていないと?

窓に断熱対策がされていないと?

窓の断熱対策が不十分だと夏の暑さ・冬の寒さがより厳しく感じられ、それに伴って冷暖房の使用量も増えます。かと言って、家計への負担を抑えるために暑さ・寒さを我慢して冷暖房の使用を控えると、熱中症や低体温症のリスクが高まってしまいます。

また、冬場の結露も窓の断熱性が低い証拠です。断熱性が高い窓を採用すれば、毎日続く拭き掃除のストレスやカビの発生も抑えることができます。

なお、燃料不足や情勢の影響などで、今後も引き続き光熱費は上昇していくと言われているので、これから新築・リフォームを検討している方は、ぜひ「ライフサイクルコスト」にも注目してみてください。

戸建て住宅のライフサイクルコストとは?

住宅のライフサイクルコストとは、家を建てる時から始まって、家の維持、そして解体するまでにかかるお金を指します。

【住宅のライフサイクルコスト】

  • 家を建てるための費用(土地代、工事費、設計費など)
  • 家を日常的に使うための費用(水道光熱費、保険料、税金など)
  • 家を維持するための費用(修繕費、改修費など)
  • 家を手放すための費用(解体費など)

家を建てる際、多くの方は最初にかかるコストばかりに目が行きがちですが、光熱費や修繕費などにかかるお金も軽視できません。私たち旭ホームズでは、35年以上住むことを考えると、断熱性能を上げておいた方がコストパフォーマンスが高くなるとご提案しております。

家庭でできる夏と冬の断熱対策

家庭でできる夏と冬の断熱対策

「とにかく今すぐこの暑さ・寒さをどうにかしたい」という方に向けて、ここではご家庭で今すぐできる夏と冬の断熱対策についてご紹介します。

夏の断熱対策

夏の対策は、窓に日よけやシェード、よしず、すだれを設置して、日中の直射日光を遮ること(日射遮熱)が重要です。雨戸・シャッターを閉めるのだけでも効果があるので、外出時や部屋を使用していない時はぜひこまめに閉めてみてください。

なお、夏場の対策として遮熱カーテンや断熱フィルムの施工で断熱性能を上げるという方法もネット上に書かれていますが、これについては断熱効果が曖昧なため弊社ではあまりおすすめしていません。

冬の断熱対策

冬の断熱・省エネ対策は、夏と反対に日中は日射光を上手く取り入れて熱を外に逃さないこと(日射取得)、窓から侵入した冷気を室内に入れないことがポイントです。

簡単にできる対策として窓ガラスに断熱フィルムを貼る、窓付近に暖房器具を設置する、見栄えが悪くなりますが段ボールを窓付近に置くだけでも断熱効果が高まります。

リフォームで叶う断熱対策

思い切って断熱リフォームするのであれば、先ほどもお伝えした通り、窓の断熱化を検討します。

具体的には、

  • アルミサッシを樹脂サッシに変える
  • 複層ガラスに変える
  • 二重サッシ(内窓)に変える

といった方法を採用します。

また、夏場の日射対策として窓の上に小庇(こびさし)を後付けするという方法もあります。

断熱リフォームのポイントについて

新築・建て直し時の断熱対策

新築・建て直し時の断熱対策
音色を奏でる家 広島市安佐南区M様邸

新築や建て直しの際は、壁や屋根などにしっかりと断熱材を入れて家そのものの断熱性能を上げていきます。しかし、いくら断熱材を入れても、隙間があると断熱材の効果を100%出し切ることができません。断熱材の効果を発揮させるためには、同時に気密性を上げる必要があるのです。

私たち旭ホームズでは、「高性能住宅は高い気密性能があってこそ成り立つ」と考えておりますので、気密施工も標準で設計に取り入れ、さらに全棟気密測定も実施しております。

高断熱住宅については「断熱効果を高める家づくりのポイントとは?メリットや事例など」で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:【木造住宅の断熱】充填断熱工法とは?外張り断熱・付加断熱との違いも

旭ホームズがおすすめする断熱対策

1枚窓を2重窓に交換したリフォーム事例

一般的な住宅の断熱強化において、窓は一番コストをかけるべきところだと言われています。かけたコスト以上に返ってくるメリット(光熱費削減や快適性など)が大きいからです。そのため、旭ホームズでは窓の性能を重視し、アルミサッシの1,000倍熱を通しにくい樹脂サッシを基本設計で取り入れております。

旭ホームズの「高断熱仕様

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ

木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。

広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。

所在地〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8
定休日日・祝・水
※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。
※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。

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