夏の暑さが異常な状況ですが、室内の温度環境を安全にするためにどの様な事ができるかまとめました。
断熱リフォームをした実際の施工例をもとに室内の安全性、快適性を上げる為のポイントをまとめました。
目次
夏の室内暑くないですか?
最近の気温は異常ですね。
静岡では観測史上最高の41.1℃を記録しました。
最近では夏の室温の為にも適切な断熱性能が必要になってきていると思います。2階の室温は室内でも熱中症になってしまうレベルです。
実際にこの暑さで熱中症で病院に運ばれる方が増えております。
新型コロナウィルスの影響もあり、病院の対応も難しくなってきていると聞きます。
快適性云々よりも安全のための断熱性が必要になっていると言っても良いくらいかと思います。
気候変動により夏の暑さは異常になってきています。
2019年の世界の平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の基準値(1981〜2010年の30年平均値)からの偏差は+0.43℃で、1891年の統計開始以降、2番目に高い値となりました。
世界の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり0.74℃の割合で上昇しています。特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています。
お家の中で安全に過ごす為に断熱性が必要になってきている
なぜ断熱リフォームが必要なのか?
冬の寒さ対策で断熱リフォームをされたいという方が私たちの会社には多いのですが、冬であろうが夏であろうが断熱性能をアップする事は省エネにつながり、快適性能もアップします。
また湿度管理などもしやすくなり、結露など住宅の劣化に繋がる要因を減らしてくれる事もあります。
実際に静岡の様に温度が40℃を超えて湿度が50%ある場合、露点温度は27.6℃になり夏の場合は室内側の壁体内に結露が発生する逆転結露の心配も出てきます。
この様な現象を少なくする為にも断熱材や窓の適切な断熱化、気密化が大切になってきています。断熱、気密がセットなのは冬も大切ですが夏も大いに関係してくる事を改めて感じています。
断熱リフォームの効果とは?
実際に私たちの会社では断熱リフォームのご提案をさせて頂いておりますが、実際に施工したお客様からは冬の暖かさや夏の涼しさに関して嬉しいお声を頂いております。
また、具体的なデータをこちらのサイトでもアップしておりますが、夏冬の室内の体感をして頂けるとその効果が分かりやすいです。
〇断熱材が効かない理由
古いお家がなぜ断熱材が効かないか以前YouTubeでご説明させて頂きました。
古いお家は断熱材の施工が雑なので、隅々まで断熱材が施工されていなかったり、隙間が多く気密層がしっかりと施工されておらず漏気していたり、そもそも断熱材が入るべき所に入っていなかったりと施工の不備がほとんどの理由です。
断熱材を効果的に効かせる為に必要なこと
【気流止めの重要性】
断熱材を効果的に効かせる為には気流止めと呼ばれる壁体内の空気の流れを起こさない様にする施工が必要になります。特に壁の下端の床や土台との取合い、また上端の天井との取合いなどが壁体内に空気が入る原因となる部分です。
この気流止めをしっかりと施工した後に断熱材を壁に入れていきますが、この断熱材自体も透湿抵抗が低い断熱材は室内側に防湿シートを施工する必要があります。今回の現場では高性能グラスウールを使用したので室内側は気密シートを施工する必要があるありました。
こう言った断熱材の上端、下端、防湿シートをしっかりと施工する事が断熱材を効果的に効かせる為に最低限必要となる条件となります。上記の様な部分をしっかりと施工していない場合は言うまでも無く、断熱材の効果は100%発揮できない事になります。
断熱材は施工が命!
断熱リフォームの場合でも断熱材の施工が大切です。
『断熱材は施工が大切です。』
実際の断熱材施工の様子は?
実際の床、壁、天井の断熱材の施工の様子をアップいたします。
床の断熱材施工の様子です。
こちらの現場ではフェノールフォームという断熱材を採用しています。
厚み当たりの断熱性能は一番性能の良いFランクの断熱材になります。床の断熱材はこの様な成型された断熱材を採用したり、グラスウールなどの繊維系断熱材やセルロースファイバーなどの吹込みする断熱材なども使用可能です。
どちらにしても床下からの冷気を室内に上げない為の気流止めの工夫が必要になります。間仕切り壁の下部や外壁側の壁の取り合い部分などに気流止めを施工して床下からの漏気を抑える事が重要になります。
続いて壁の断熱材です。
前述した様に色々な種類の断熱材を採用可能ですが、壁の上下端部の気流止め、繊維系の断熱材の場合は気密シートの施工などが必須になります。
成形板の断熱材も隙間なく丁寧に施工する事で改修現場でも断熱性能を確保できる事ができます。
こちらの写真の現場は高性能グラスウールを採用しています。室内側には防湿シートを施工して気密性能を確保して壁の中の結露を抑えています。
連続した気密層がある事で、壁内部の漏気を抑え断熱材の効果をしっかりと発揮する事ができる様になります。
続いて天井・屋根の断熱工事です。こちらの現場写真は高性能グラスウールを採用しています。
性能は断熱材によって変わりますが性能の良い断熱で厚みが厚いほど断熱性能は良くなります。
しかしコストが高い材料を暑くするとコストアップになりますし、形状や納まりによって下地の施工なども変わります。また透湿抵抗などによって気密シートが必要な断熱材もあります。
夏の暑さ対策では天井、屋根の断熱材は大きなポイントになります。
窓は断熱リフォームにおいてとても重要です。
お家の中で熱を1番通しやすいのはどこだと思いますか?
『断熱リフォームでは窓の断熱化が一番重要です』
正解は窓になります。
夏で7割、冬で5割と言われています。夏の今の時期は7割ほど外からの熱を取り入れている状態です。
窓を断熱化する事は建物の断熱性能を高める上で一番コストパフォーマンスが良い事です。
アルミサッシから樹脂サッシに交換したり、2重サッシを取り付けしたりする事で快適性はグンとアップします。断熱材も重要なのですがまずは窓です。窓の断熱性アップが何よりも重要になります。
窓の断熱化は建物のどの部分の断熱化よりも効果的で、コストパフォーマンスの良い断熱工事です
2重窓にしたり、サッシ自体を断熱サッシに交換したりする事で窓から入ったり、出たりするエネルギーの影響を小さくできます。
では窓の断熱化で一番多い工事は2重窓にされる事だと思います。
2重窓にする事は比較的容易で、既存の窓枠などに取付するだけで、短時間で効果的な断熱工事が可能になります。
またコストも外壁から壊して交換する方法よりもお求めやすくできます。
2重窓を設置した場合の熱の逃げ方の違い
まとめ
断熱リフォームは暑い夏や寒い冬の室内環境改善に効果的です。
『断熱リフォームは夏や冬の室内の安全性、快適性を上げるうえで大切な工事です』
夏の暑さが激しい今年の夏ですが今後も夏の気温が上がっていく事が考えられます。室内での熱中症予防などの観点から夏の室内の温度環境改善は重要になってくると思います。
断熱リフォームは夏の室温改善や省エネに貢献できるリフォーム工事です。今後の酷暑や冬の室温改善に断熱リフォームを検討される場合は、まず窓の断熱化を検討される事をお勧めいたします。
次に2階の天井の断熱化が重要になってきます。その後に床や壁の断熱化を検討しましょう。
断熱リフォームは夏や冬の室内の安全性、快適性を上げるうえでとても大切な工事になりますのでぜひこの記事をご参考にして下さい。