今回は、外壁の断熱リフォームにかかる費用感や施工内容を、実際の施工事例を交えながらご紹介します。また、断熱等級や補助金についても触れていますので、ぜひ参考にご覧ください。
目次
外壁の断熱リフォームの費用相場は?
結論からお伝えすると、外壁の断熱リフォームにかかる費用相場は家全体(30坪前後)で500万〜800万円程度です。
差が生じる理由は、施工内容にあります。ここではまず、外壁の断熱工事ではどのような施工をするのか、断熱リフォーム時の選択肢にはどのようなものがあるのかについてご紹介します。
壁断熱の施工方法
外壁の断熱方法には、外壁内部に断熱材を入れる充填断熱と、外壁を断熱材ですっぽりと覆う外張り断熱、そしてこの両方を組み合わせた付加断熱の大きく3つの選択肢があります。
この内、充填断熱が最もオーソドックスな方法で、私たち旭ホームズでも充填断熱を基本としていますが、近年の傾向として付加断熱を希望される方も増えてきています。
断熱リフォーム時の選択肢
築年数が浅いお家での断熱リフォームでは、外壁内部に断熱材を充填する必要がないケースが多く、この場合、さらなる断熱性能の向上を目指して既存の充填断熱に外張り断熱をする付加断熱リフォームをご提案するか、窓や床など別箇所の断熱性能を上げるリフォームをご提案します。
一方、築年数が古くて外壁内部の断熱材が不十分な場合は、充填断熱リフォームを行い、ご希望に応じて外張り断熱も行っていきます。
また、いくら断熱材を入れても、熱が出入りする隙間があると断熱効果が発揮できないので、気密性を高めるための気流止めを行うこともありますし、昭和56年以前に建てた家は現在の耐震基準を満たしていない可能性もあるため、外壁の断熱リフォームと同時に耐震工事なども同時に施工することもあります。
関連記事:【木造住宅の断熱】充填断熱工法とは?外張り断熱・付加断熱との違いも
外壁断熱リフォームの施工内容と費用感
続いて、充填断熱・外張り断熱・付加断熱の具体的な施工内容と費用感について見ていきます。
充填断熱リフォームの施工内容と費用感
▲旭ホームズの「性能向上リノベーションモデルハウス」
充填断熱リフォームは、通常下記のような流れで進めていきます。
- 家具や家電などの移動
- 内装材の解体
- 壁内部の空間に断熱材を充填
- 防湿・気密シートなどの施工
- 内装材の張り付け
- 壁紙・クロスで仕上げ
費用感としては、家全体(30坪前後)で400万〜500万円程度が目安です。選ぶ断熱材や、補強工事の有無などで変動するとお考えください。
外張り断熱リフォームの施工内容と費用感
▲旭ホームズの「性能向上リノベーションモデルハウス」
外壁の外張り断熱リフォームは、通常下記のような流れで進めていきます。
- 足場の設置
- 既存の外壁材を解体
- 必要に応じて下地材を張り付け
- 断熱材を張り付け
- メッシュネットなどで下塗り下地
- 外壁材などでの仕上げ
- 雨どいや換気口などの取り付け
- 足場の撤去
費用感としては、家全体(30坪前後)で500万〜600万円程度が相場ですが、足場の設置・解体作業が入りますので、充填断熱よりもコストが上がります。
また充填断熱と同じく、選ぶ断熱材の種類によっても多少前後します。
付加断熱リフォームの施工内容と費用感
付加断熱リフォームでは、内壁・外壁の断熱工事を同時に行っていきます。
費用感としては、充填断熱と外張り断熱を純粋に足した金額となり、家全体(30坪前後)で700万〜800万円程度はかかる傾向です。
また、旧耐震基準だと耐震改修を一緒に行ったり、より断熱性能を高めるために気流止めをする必要もあるため、その分費用が上がります。
関連記事:断熱効果を高める家づくりのポイントとは?メリットや事例など
【施工事例】断熱リフォームの施工内容と費用
上記の事例は、私たち旭ホームズが築39年の中古住宅を購入させていただき、耐震や断熱性能を向上させた「性能向上リノベーションモデルハウス」です。
外壁断熱リフォームに関する施工内容と断熱性能は以下の通りです。
施工内容 | ・外壁充填断熱 ・外張り断熱リフォーム |
費用感 | 700万~800万円(足場設置、外壁仕上げ込み) |
断熱性能 | 施工前:UA値1.41 施工後:UA値0.31(数字が小さいほど高性能) |
ちなみに、前項にてご紹介していた充填断熱と外張り断熱の工事写真も、性能向上リノベモデルのものになります。
充填断熱では、高性能グラスウール断熱材をすき間なく、正しく施工し、最大限の断熱効果を発揮しています。外張り断熱では、外壁の上から軽量の断熱材を付加し、重さを軽減しつつも、さらなる暖かさを実現しました。
また、住宅の中で最も熱損失の多い窓にはトリプルガラスを採用し、夏は涼しく、冬は暖かい空間となっています。
なお、新築では断熱性能を表すUA値を0.87以下、断熱等級4以上にすることが義務付けられています(2025年〜/建築物省エネ法)。UA値は数値が低いほど性能が高くなるのですが、弊社のリノベモデルでは、UA値0.31と高い断熱性能を達成しています。
ぜひ、実際に足をお運びいただき、高性能・高気密住宅の快適性を体感していただきたいです。
ビフォーアフターや、詳しい断熱性能、見学予約などは
「性能向上リノベーションモデルハウス」をご覧ください。
加えて、弊社サイトの「性能向上リノベーション」内でご紹介している施工事例についてはほぼ外壁の断熱リフォームを実施しています。こちらもビフォーアフターや工事中の様子などを掲載していますのでぜひご参照ください。
断熱性能・断熱等級とは?
住宅の断熱性能や気密性能を評価する方法には、国が定める「断熱等性能等級」や、民間団体の評価制度「HEAT20」などがあります。
断熱等性能等級は地域ごとに断熱性能を等級1〜7のランクで評価するもので、評価基準にはUA値(建物からの熱の逃げやすさ)とηAC値(建物への日射熱の入りやすさ)が用いられます。
対して、HEAT20は高断熱住宅の普及を目的とした民間団体の略称で、断熱性能をG1〜3の3段階で評価する制度となっています。
2025年以降に新築する戸建て住宅では断熱等級4以上、2030年以降は断熱等級5以上が義務付けられており、私たち旭ホームズがある広島県は北海道などの寒い地域と比べて温暖な気候ではありますが「断熱等性能等級6、HEAT20のG2(6地域/UA0.46)」を断熱性能の標準としております(2024年6月現在)。
詳しくは「【断熱性の基準】断熱等性能等級とは?HEAT20やZEHとの違いなど」で解説していますので、参考にご覧ください。
外壁の断熱リフォームに使える補助金について
壁の断熱リフォームでは、現在「住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホーム支援事業」と「長期優良住宅化リフォーム推進事業」にて、補助金を利用することができます。
※補助金は毎年内容が変更されますので、公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホーム
住宅省エネ2024キャンペーンの子育てエコホームは、主に子育て世帯向けの補助金制度で、外壁の断熱リフォームの他、床・屋根・天井・開口部の断熱改修も対象となります。
【子育てエコホーム支援事業の概要】
対象 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
リフォーム内容 | 外壁・床・屋根・天井・開口部の断熱改修 |
補助金 | 原則1戸あたり最大20万円まで ※指定の条件に該当する場合は引き上げ可能 |
なお、予算には上限があり、上限に達した時点で終了となります。
詳しい要件や最新の受付状況については、上記の公式サイトでご確認ください。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅や住宅ストック(中古物件)のリフォームを対象とした補助事業です。子育てエコホームと違い、家全体の断熱リフォームのみが対象となる点にご注意ください。
【長期優良住宅化リフォーム推進事業の概要】
対象 | 既存住宅の所有者※他いくつかの要件を満たす必要あり |
リフォーム内容 | 下記に該当する性能向上リフォーム 【必須項目】 ①構造躯体等の劣化対策 ②耐震性 ③省エネルギー対策 【任意項目】 ④維持管理・更新の容易性 ⑤高齢者等対策(共同住宅のみ) ⑥可変性(共同住宅のみ) |
補助金 | 評価基準型:1戸あたり80万円 認定長期優良住宅型:1戸あたり160万円 ※一定の要件を満たした場合1戸あたり50万円が加算 |
なお、こちらも予算に上限があり、上限に達した時点で終了となります。
詳しい要件などについては公式サイトでご確認ください。
広島で新築・リフォームをするなら旭ホームズへ
木の家が持つ素材や素地を生かし、その土地の持つ要素を生かして設計し、末永く素晴らしい暮らしができる家作り。それが旭ホームズのこだわりです。
広島近郊で、高断熱・高気密な注文住宅をお考えの方や、性能向上リノベーションを検討されている方は、ぜひ一度、旭ホームズのモデルハウスへお立ち寄りください。
所在地 | 〒731-5101広島県広島市佐伯区五月が丘2丁目8 |
定休日 | 日・祝・水 ※事前のご予約があればご見学はいつでも可能です。 ※お休みの3日前までのご予約をお願いいたします。 |