2018年8月31日

気密性能の重要性とは?

  • コラム

気密性能とは?

気密性能は断熱性能と共に建物の性能を現わす言葉としてよく耳にする事が増えました。

気密性能とは住宅の住宅の隙間の小ささを表す性能値として存在します。また気密測定とは機械によって測定する検査の事を言います。
日本では気密性能の事をC値と呼び、小さければ隙間の小さい高性能な住宅という認識が強いと思います。
C値の単位は〇.〇c㎡/㎡という単位で表され、隙間の大きさを数値で表示する事が可能になります。

IBECなどの資料を見ると気密性能の悪い、隙間の大きなお家は壁の中の断熱材の性能が100%発揮できなかったり、換気のバランスが悪くなり予想できない漏気を招いたりします。
また壁体内結露や室内のカビの原因になったりすると言われています。結露やカビは家の寿命を短くする原因にもなります。

逆に隙間が小さければ断熱材の効果を発揮でき、換気の効率も上がります。また結露やカビの発生を少なくし家の寿命を延ばす事ができます。

気密性能は卓上の計算で求めたりする事はできず、実際に完成した建物に機械を設置して測定して初めて性能が分かります。なので測定して初めて語れる建物性能とも言えます。

実際の気密測定の様子

気密性能の基準はあるか?

気密性能の基準とは?

気密性能には以前地域ごとの基準があり、平成11年の次世代省エネ基準でみると、

断熱地域区分気密性能(C値)
Ⅰ・Ⅱ地域2.0c㎡/㎡
Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ地域5.0c㎡/㎡

上記の様な推奨基準が設けられていました。推奨なので守っても守らなくても良いので平成11年当時はほとんどのハウスメーカー、建設会社、工務店は気密性能の事なんてほぼ知らないと言っても過言ではありませんでした。
実際の測定にはJISで定められた測定方法があり、測定する技術者は気密測定士という資格を保有している技術者が測定する必要があります。

気密性能を上げるためには?

気密性能は上げる為には、現場での職人さんの施工と細かな管理がとても大切になります。

具体的に気密性能を上げるための方法として現場で行っている事は、

〇繊維系断熱材の場合は気密シートを連続して施工する

基本ですが、繊維系の断熱材の場合は室内から外部への湿気の出入りを無くすために断熱材の室内側に気密シートを連続して施工する必要性があります。

気密シートはJISで定められた透湿抵抗値を有している気密シートや夏の逆転結露を防ぐ調湿気密シートなどで室内側からの湿気を壁の中に通さない施工が重要になります。

床・壁・天井で断熱材の種類が変わったりする場合でも結露計算をしてリスクのある断面レイヤーの場合は室内側に気密シートが必要な場合があります。発砲系の断熱材でも透湿抵抗値が低い場合には気密シートの施工を必要とする場合があるので注意が必要です。

繊維系断熱材の場合は気密シートの施工が重要

〇現場に入る職人さん一人一人の丁寧な作業と工事監理の徹底

繊維系の断熱材などは断熱材の施工は大工さんが行う場合が多いのですが、色々な断熱材がある中では専門の施工業者さんやメーカーさんから上棟時などに配送された構造パネルと一緒に断熱材が施工されている状態で配送される場合がございます。

後から壁の中に詰め込んでいく場合や、先に施工されていたり、吹き付けたり色々な施工方法で施工していく中で、断熱材を施工した直後などは比較的きれいな状態で断熱材が施工される事が多いと思います。
(逆に断熱材が見える状況の時に気密シートなどがきれいに施工されていない場合は・・・・・。)

断熱材をした直後であれば配線や配管などの問題はありませんがどうしても壁の中に埋め込んでいく配線、配管があった時にこの気密シートなどの気密ラインを加工する場合が出てきます。その時に現場に入られている他の職人さんはその気密層を保持していく作業をしていく必要があります。

特に電気系統のコンセントボックスや給排水の配管などは注意が必要です。
気密層を破らずに壁の内側に配線、配管スペースを確保する工夫をしたり、換気システムなどの大きな配管が外部に抜ける場合などは専用の気密部材を使っていく事で気密層を守る事が可能です。日本住環境さんやJOTOさんなどに気密処理と雨水の侵入などを防ぐ事ができる部材などがあります。

どちらにしても現場に入る職人さんと管理する工事監督が気密処理の意識を持ち、コツコツと隙間を防ぐ作業が必要になります。

コンセントボックスなどは気密テープや専用部材が重要です。

〇ちゃんと気密測定しているか?

良くお客様からこんな質問を頂きます。

『家の気密性が良くなりすぎると木が呼吸しないから良くないって言われましたけどホントですか?』

『気密性能ばかり競っていて本当の家づくりになっていない。なので他社さんは気密測定しないって言われましたけどホントですか?』

『他社さんが以前測定して結構良かったから良いですよって言われましたがホントですか?』

『気密性能より、断熱性能や断熱材が重要ですって言われましたがホントですか?』

どれも間違っている訳ではなく、かと言って正しいという訳ではなく困ってしまいますが、いつもお聞きしているのですが、

『その会社さん、気密測定全棟してますか?』

と聞くとほとんどの場合は

『していない』

のが現状です。

結局のところ、測定をしているかどうかがポイントであって理由は何であれ測ってなければ良く分からない性能としか言いようが無いと思います。
気密測定して下さいとお話しして、『できません!』とか『うちではしていません!』などと言われた場合はほとんどの場合は測った事が無いか、性能に自信が持てないかのどちらかだと思います。

気密測定は測定して初めて性能が分かります。
実際の測定結果 C=0.4c㎡/㎡の部分が気密性能C値になります。

旭ホームズの考え方は?

『あなたの家の気密性能はいくらですか?』

高気密・高断熱の家とよく言われますが、どの程度の数値が本当に必要なのでしょうか?

平成11年の次世代省エネ基準では広島市が入っているⅥ地域の場合、気密性能C値=5.0c㎡/㎡以下を推奨していました。
東北・北海道などのⅠ・Ⅱ地域は気密性能の数値であるC値を2.0c㎡/㎡以下を推奨していました。
現在の建築では各地域それ以上の気密性能が求められています。   

旭ホームズでは高性能な住宅を建築するうえで気密性能はとても大切な要素だと考え、断熱材の性能を100%確保するためにはきっちりとした気密施工をする事でお客様のお家を守る事ができると考えています。

気密性能が低い家には外気が入りエネルギーロスが多く、断熱材の性能を100%発揮できません。隙間の多い家が寒かったり、暑かったり、外部の影響を受けやすいのは当然です。
どんなに良い断熱材を入れても隙間だらけの施工では断熱効果は無く内部結露を起こし柱や土台を腐蝕させてしまいます。

気密性能は測定して初めて分かる性能です。

断熱性能(Ua値、Q値)は家を建てる前でも計算で出ますが、気密性能(C値)は家が完成し気密測定器で1軒づつ測定をしなければ算出できません。

いわば、施工の技術を最終的に判断する性能値とも言えます。

旭ホームズは自社で気密測定器を所有しており完成時に公式な気密測定ができる広島県では数少ない工務店です。
現在は、新築住宅の完成時にお施主様立会いのもと全棟気密測定を行っております。自信を持って施工しているからこそ気密測定をお施主様立会いで出来るのです。

気密測定登録番号を取得しており、会社としても事業者登録をしています。【登録番号0700-115 財団法人 建築環境・省エネルギー機構】
また、桑原工事部長、村上営業部長、名藤営業課長が公式測定のできる気密測定士として他社工務店様の測定も行っております。

広島県の瀬戸内側は全国的にみても比較的温暖な地域と言えます。しかし、山間部や中山間地に行くと積雪もあり、外気温が0℃を下回る地域もあります。
気候の多様性に富んだ地域で過ごしやすい時期もありますが、住宅の湿気や温度差の観点から言うと厳しい環境条件の部分も多くあります。

私たちの会社では広島地域でも東北や北海道地域で求められる気密性能をご提案しています。
旭ホームズでは気密性能(C値)を2.0c㎡/㎡以下の家づくりをしています。

平成11年の省エネルギー基準で推奨されている広島の瀬戸内地域であるⅣ地域5.0c㎡/㎡以下の2.5倍の気密性能になります。
気密性能が全てではありませんが、前述した様に家の耐久性を確保し、健康的で快適な住空間を作るうえでとても大切な性能です。また施工の技術を数値化できるので職人さんのモチベーションにもなります。

断熱性能と気密性能、両方を確保して資産価値の高い住宅をご提案していこうと思っております。

家づくりコラム

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